世界をつなぐゲームの作り方
このコンテンツについて・(基本的に遠回しですが)ネタバレがあります。
・画像はありません。
サイズ:B5
ページ数:192ページ
印刷:オールカラー
発売元:株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス
発売日:2018/3/27
Chapter1
主人公を始め、キャラクター全28組(公式サイトで紹介されている面々)の全身イラスト+プロフィール+平尾リョウ氏のコメント+ボツネタ含む設定画+3Dモデル
主人公は1人あたり3~4ページ。
『ガリルのマントの留め方』の図解・『ビビアンの頭飾り(徽章)』の詳細・『マチルダの首元の装飾』のアップなどが見られます。
『ティギーが頭に着けている円筒状のアレ』・『レンツォが短パンな理由』・『ロビンスのバケツに入っている物』もわかります。
さらに、女性陣(アーシュラ・ビビアン・ティギー・ユキハ・アリア・ルイーズ・フィアナ・シャルロッテ)のパンツの色も。
管理人は、アリアの色のセクシーさにガッツポーズしました。
ロビンスの設定画を見て、「さすがにそれで体術は無理だろう」と一瞬考えたのですが、
「ロビンスならやってくれるかもしれない」と考え直しました。
レジェンド オブ レガシーとの比較を含む、作品全体の傾向設定には、剣の重さの指定もありました。
(Amazon・ソフマップ・WonderGOOの)店舗別予約特典・週刊ファミ通2017年7月6日号の表紙(ロビンスひとり舞台)のイラストもあります。
雪うさぎの設定画(後ろ姿と攻撃モーション含む)も。
Chapter2
背景イラスト・NPC・乗り物・紋章(太陽と魔族の紋)など浅野雅世氏のコメント
(雨の世界フィールド・スヴァルナ・閉鎖美術館・青い空の絵画・レインボーピラー・魔界ダウンタウン・アッパールミナス・方舟など)浅野氏が制作したであろうイラストに、本人のコメントが付いています。
スヴァルナの入って右手にある高台は、指定されたものではなく浅野氏が用意したもの。
良い仕事なさいました!
閉鎖美術館の通路の線画に、カーテンで隠れて見えない部分にも、しっかり模様が描かれているのに見入りました。
太陽と波の意匠なのか、窓に優美なステンドグラスの細工があります。眼福……。
方鏡には素材の指定あり。
監獄街の紋章(印術ギルドの入り口・裁きの塔中央棟の壁についている、天秤の形をした紋)のモチーフは、死神の鎌。
元の線画では、天秤棒の部分(=鎌の刃)が炎、というか、魂みたいなささくれだった形状になっています。
ちなみに、似たような紋章が、裁きの塔入り口の壁と、屋上の床にもありますね。こちらの紋章は、天秤の皿の部分が無い。
白嶺城の家紋は、縁桜と縁梅の2パターン。
屋根・階段・宝塔⇔渡り廊下の手摺・畳の段差(ユキハ姫が座っている所)・襖の四隅・壁(天井寄りの部分)の装飾は、家紋とコーディネートしてありました……!!
特に、屋根の装飾(鬼瓦近辺)は、3DSだと見えにくいのに、こんな細かい所まで描き込んでいるのか、と気が遠くなるとともに感動しましたよ。こういった所を設定資料集で見たかったのでうれしい!
畳の縁にまで家紋が入っています。
方舟は氷対策済み。ヴァレリーさすがです。
コクピット起動の絵コンテもあり。
ギルドタワーの『天辺にある扇形の回転するパネル』と、『水平方向に動く棒』の役割の違いが判明。
プロジェクトシンボル(ゲーム起動時などに見ることができる、『project Alive』のロゴ+クワルサ)のクワルサの表情が苦しげ……。
Chapter3
のざらしから黒き機神まで、モンスターの設定画+3Dモデル戦闘アクション案もあり
モンスターをデザインされた方が、戦闘アクション案も作ったようです。
ゲーム未登場のモンスター2種の設定画もあり。
アダンク系の3Dモデルが並ぶと、色相環のようできれいです。
マスキングテープにして欲しい。
スラッガー系の、待機時のアクション案がかわいい。遊んでるのか。サッカー少年か。
アイスロブスター系の、戦闘アクション案「カウンターシザー(※おそらくゲームでは未登場)」がかわいい。堂々と見て良いのよ?
樹晶年の傘が禍々しい。め、目が……。
黒き機神の背面は、魔族の紋章入り。
Making of ALLIANCE ALIVE1:村山吉隆の世界
原案などの開発資料・一問一答ストーリーと世界観とキャラが作られていった様子が垣間見られます。
キャラの名前が、開発初期と完成版で大分変わっています。
初期ゲームアイディア
最初期の資料。どのような物語にするか、数パターンのアイディアを、世界の見せ方を基準に作ったようです。
7案を公開。
ガリルがルネ(アーシュラの元の名前)を閉鎖美術館へ誘うまでのあらすじも。
半分くらいがセリフです。
ガリルの語尾が、完成版より少し強めな印象。
ストーリー原案
最初期に作ったアイディアから1つを選択し、そこから作成したストーリー原案。2案を公開。
A案では、主人公は、ガリル・グラン(現:ジーン)・アルク(現:ビビアン)の3人。
B案では、主人公は、ガリル・アルク。
ストーリー設定メモ
ギルドの設定・移動手段・各エリアのイメージ(この頃は、各世界の名前は決まっていなかった様子)・シナリオボスについての案。世界観やキャラクター原案
ラスティ(現:レンツォ)の設定が、自由というか、ボーダーレスというか。ダイバーシティを体現しているアライアンス・アライブにふさわしいと思います。アルク(現:ビビアン)の胸が、既にビビアン。
マチス(現:イグナス)の振り回されっぷりが、既にイグナス。
グロッサの最後の選択が、完成版とかなり違う。
(管理人の妄想ですが)この原案通りでしたら、ジーン、イグナスあたり泣いたかもしれません。
シナリオや世界観への一問一答
・シナリオのテーマや語りたかったこと・シナリオ制作の流れ
・シナリオの完成までの時間
・キャラクターの設定が変更になって大変だったこと
・シナリオがゲーム内容に影響した部分
・人魔大戦の裏設定
・魔族の出自
・八卿会議とは
・ビビアンの地位
・ジーンがレイチェルを救った事件
・水魔とは
・村山氏の設定の開示に関する流儀
・読者に向けて一言
謎や裏設定について語られているのは、一問一答の後半あたりです。
(ボリュームはページ半分くらい)
Making of ALLIANCE ALIVE2:小泉今日治の世界
ゲーム制作の流れインタビュー+開発資料(おそらくエクセル)
ゲームをどのように作っているか、アライアンス・アライブをどのように作ったか、が語られています。
「ゲームデザイナーを目指す方の参考になる」、とありましたが、それ以外の管理人にも、とても勉強になりました。
面白いゲームの作り方だけではなく、物事を理詰めに俯瞰的に考えるための方法論も詰まっています。
小泉氏が、開発の最初に作る3つのシートと、それを作るメリット。
開発ドキュメンタリー動画で触れられていた、「難易度が二転三転したバトル」についても。
イベントバトルの数がとんでもないうえに、見えにくい所に手がかかっています。
この本は全体的に内容が濃いですが、このインタビューは特に濃いです。
載っていないもの
以下は掲載なしです。・ネコ族
・週刊ファミ通 2017年7月6日号の裏表紙などで使用されている、正面向きのドット絵(※ロード画面で使用されている横向きのドット絵は目次に掲載あり)
・一部を除く背景の線画(※閉鎖美術館通路、白嶺城、レインボーピラーは掲載あり)
まとめ
3DSでは見にくい細かい部分の設定だけでなく、ゲーム本編で採用されなかったネタも多数掲載されています。制作過程を想像できる作りで、大変楽しく読ませて頂きました。
アライアンス・アライブが好きな方、絵を描く方はもちろん、メイキング・ボツネタ公開系が好きな方、シナリオライター・ゲームデザイナーを目指す方にもお勧めです。
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